卵巣腫瘍
概要
卵巣腫瘍は、卵巣にできる腫れやしこりの総称です。
新生児期から学童期、思春期の女児にもみられ、多くは良性ですが、ときに悪性の腫瘍が含まれることがあります。
卵巣はホルモン分泌や将来の妊娠に関わる重要な臓器であるため、良性腫瘍の場合には、卵巣をできる限り温存する「核出手術」を当科の基本治療方針としています。
症状
症状は腫瘍の大きさや性質によって異なります。
- 下腹部の張りや違和感
- 腹痛・鼠径部痛
- 腹部にしこりを触れる
- 健診や画像検査で偶然見つかる
また、腫瘍が卵巣のねじれ(卵巣茎捻転)を起こすと、
突然の強い腹痛や嘔吐を伴い、緊急対応が必要となることがあります。
診断/検査
診断では、腫瘍の大きさ・性状・悪性の可能性を慎重に評価します。
- 超音波検査:腫瘍の形状や内部構造を確認
- CT・MRI検査:腫瘍の広がりやより詳細な内部構造、周囲臓器との関係を評価
- 血液検査:腫瘍マーカーの測定(年齢や腫瘍の種類に応じて)
これらの情報を総合して、治療方針を決定します。
治療
治療は、腫瘍の種類・大きさ・症状・年齢を考慮して選択します。
- 経過観察
小さく、良性が疑われる場合は、定期的な画像検査で経過をみることがあります。 - 手術治療
腫瘍が大きい場合、症状がある場合、悪性が疑われる場合には手術を行います。
可能な限り、腫瘍のみを摘出(核出)し、卵巣を温存する、ことを目指します。
- 当科では多くの症例で、臍にだけ傷をつけて行う「単孔式腹腔鏡下手術」を行っており、低侵襲でかつ整容的にもご満足いただいております。
予後/見通し
良性腫瘍の場合、治療後の経過は良好で、将来の成長や妊孕性への影響は最小限に抑えられることが多いですが、悪性転化や再発、対側発生の報告があり、当科では術後3年間は外来にて定期的に経過フォローを行っています。
悪性腫瘍の場合でも、早期診断と適切な治療により、良好な経過が期待できる症例がありますが、手術後も化学療法や放射線療法が必要になることがあり、中には生命予後の悪いタイプの悪性腫瘍もあります。良性腫瘍に比して再発の可能性が高く、長期的に、より慎重な外来フォローが肝要です。

