包茎
概要
包茎(ほうけい)とは、亀頭が包皮に覆われ、外から十分に見えない状態を指します。
乳幼児期の男児では、包皮が自然にむけない状態が一般的であり、多くは成長に伴って改善します。
すべての包茎が病的なものではなく、状態に応じた判断が重要です。
症状
多くの場合、症状はありません。
ただし、以下のような場合には注意が必要です。
- 排尿時に包皮が大きく膨らむ
- 繰り返す炎症や感染
- 痛みや不快感を伴う
診断/検査
診断は診察による視診で行います。
包皮の状態や、亀頭の露出の程度、炎症の有無などを確認します。
治療
多くの包茎は、清潔を保ちながら経過をみることで問題なく成長します。
一方で、
- 排尿障害(おしっこの出かたに問題)がある場合
- 感染や炎症を繰り返す場合
- 包皮が炎症で固くなっている場合(瘢痕)
には、治療が必要となることがあります。
治療法には、軟膏塗布および包皮伸長ストレッチによる保存的対応や、包皮を切開する手術療法(環状切開術)があり、年齢や症状に応じて選択します。
予後/見通し
適切に対応すれば、多くの場合、将来の生活に大きな影響を及ぼすことはほとんどありません。手術後の合併症(リスク)としては浮腫、出血、感染、狭窄などがあります。高度な狭窄や瘢痕が生じた場合には再手術が必要な場合があります。
気になる点、疑問点がある場合は、当科外来へご相談ください。
停留精巣
概要
停留精巣(ていりゅうせいそう)とは、本来陰嚢内に位置するはずの精巣が、出生後も陰嚢まで下降していない状態を指します。
精巣は胎児期に背中から腰のあたりで形成され、成長とともに鼠径部を通って陰嚢へ移動しますが、この過程が途中で止まってしまうことで発症します。
停留精巣は男児の先天性疾患の一つで、早産児に多くみられることが知られています。片側のみの場合も、両側に認められる場合もあります。停留精巣には、将来的な精巣機能低下や精巣腫瘍の発生率上昇などのリスクもあり、早期発見が大切です。
症状
通常は無症状で経多くの場合、自覚症状はありません。
主な所見として、
- 陰嚢の片側または両側に精巣が触れない
- 陰嚢の大きさが左右で異なる
といった点が、乳児健診や外来診察で指摘されます。
痛みや違和感を訴えることは通常なく、外見上の変化から発見されることがほとんどです。
診断/検査
診断は主に診察による触診で行います。
- 陰嚢内に精巣が触れるかどうか
- 鼠径部や腹部に精巣が触知されるか
を丁寧に確認します。
追加して超音波検査やMRIなどの画像検査を行い、精巣の位置や大きさを客観的に評価します。 なお、陰嚢内に精巣が触れることもあるが、精巣がしばしば陰嚢で触知できないことがある「移動性(遊走)精巣」との鑑別が重要であり、経過観察を含めて慎重に判断します。
治療
出生後しばらくの間に、自然に精巣が下降することもあるため、乳児期前半は経過をみることがあります。しかし、生後6か月を過ぎても陰嚢内まで下降が認めらずに場合に上方で留まっている場合には、1歳頃までに手術による治療が推奨されます。
治療は、全身麻酔下に精巣を正常な位置(陰嚢内)へ移動し固定する手術(精巣固定術)を行います。陰嚢の皺に沿って、1cm程度の小さな傷で手術します。とくに1回で陰嚢内まで下ろせない高度な停留精巣や腹腔内精巣と呼ばれる重症な停留精巣では、当院では国内ではまだそれほど普及していない腹腔鏡下「Shehata法」を、国内で先駆けて積極的に行っており、安全確実に、陰嚢内まで精巣を下ろして良好な成績を得ています。
予後/見通し
精巣の高さによって、経過は異なりますが、適切な時期に治療を行えば、多くの場合、良好な経過が期待できます。精巣の位置が腹腔内にある場合など、高度な停留精巣では、手術をしても経時的に精巣が委縮してしまったり、場合によっては除睾術が必要となることがあります。当院では手術後は小学校に上がるくらいまでは外来で定期的な経過観察を行いながら、成長に伴う変化を丁寧にフォローしていきます。

